始期付所有権移転仮登記の受贈者の死亡 [不動産登記]
始期付所有権移転仮登記がなされているところ、死因贈与契約の受贈者が贈与者より先に死亡した場合の登記手続きにつき悩みました。
死因贈与契約に民法第994条第1項が準用されれば死因贈与契約は失効しますし、準用されなければ死因贈与契約は失効しません(受贈者の相続人が地位を承継)。
東京高裁の平成15年判決では準用を肯定し、京都地裁の平成20年判決と水戸地裁の平成27年判決は準用を否定しています。最高裁の判例はありません。
そうしますと、登記手続きの場面においては、どちらの考え方も否定されない筈ですので、当事者の意思がどうであったかと探りました。
残念ながら亡くなった受贈者の意思は不明ですが、その後に亡くなった贈与者の遺言の中に、死因贈与契約は失効している旨の記載がありましたので、民法第994条第1項の準用肯定説で登記手続きを準備しました。
問題は、始期付所有権移転仮登記を抹消する登記申請です。
今回は、受贈者の死亡日付権利失効を登記原因とし、登記原因証明情報は受贈者の死亡と贈与者が当時生存していたことを証する戸籍(除籍)謄本としました。
もちろん事前照会をかけて申請しましたが、この登記は無事に完了しました。
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2023-09-25 18:00
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