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建物明渡訴訟の検討④ [裁判事務]

建物の明け渡しの法的手続きをする場合,やはり気になるのは費用です。

私の事務所では,建物明け渡しの法的手続きをする場合,おおむね次のように費用の説明をしています。
①判決手続きを求める部分までで10万円程度の費用がかかります。
②強制執行をする場合は,
 あ 執行官への予納金が7万円
 い 執行補助業者の費用が25万円以上(荷物の量によります)
 う 開錠業者の費用が3万円程度
 え 遺留品処分費が実費(荷物の量によります)
 かかるりますので,どんなに安くても35万円程度は覚悟いただかなければなりません。

実際,私の事務所で執行補助業者へ支払った費用の最高額は130万円ですので,いたずらに強制執行を目指すことは得策ではありません。

それではどうすれば良いのでしょうか。
私の事務所では,できる限り和解をして任意退去を求めます。もちろん「ただ」で任意退去を求めることは難しいために,相応の見返りを用意することになります。見返りとは「滞納賃料の支払い免除」です。

入居者からすれば,任意退去は費用面で少し大変ですが,約束どおり退去を実現すれば,いままでの滞納賃料の免除を得られ,次の場所でリフレッシュスタートができることになりますyので,大きな魅力であることは間違いありません。一方,大家さんからすれば,長期滞納者の賃料の回収は極めて困難ですから,ほとんど価値のない債権は失いはしますが,重ねての大きな追加出費は避けられますので,このメリットは少なくありません。

明け渡しを実現し,滞納賃料も全額回収するということは,実際問題としてほぼ不可能です。多くの大家さんは,この方法で重ねての出費を節約し,建物明け渡しを実現しています。(おわり)


↓事務所のHPはこちら↓

http://www.office-iguchi.jp/


2012-04-09 18:00  nice!(0) 
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