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一般社団法人の代表理事変更と印鑑証明書 [会社登記]

理事会設置一般社団法人の代表理事を変更する場合、理事会を開催して代表理事を選定します。代表理事変更登記申請書には、この理事会に出席した理事及び監事が記名押印した理事会議事録と、記名押印した理事及び監事の市区町村長発行の印鑑証明書を添付することになります。

ところで、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第95条第3項では、理事会議事録には出席理事及び出席監事の署名又は記名押印を求めていますが、あわせて、この出席理事につき、定款で議事録に署名し、又は記名押印しなければならない者を当該理事会に出席した代表理事とする旨の定めることができるとしています。
そうしますと、定款で定めれば、理事会議事録への署名又は記名押印者を、出席した代表理事及び出席監事とすることができることになります。

ここで、このような定款の定めがある一般社団法人が代表理事の変更登記をする場合、登記申請書に添付する理事会議事録には、出席した代表理事と出席した監事が記名押印し、これらの印鑑証明書を提出する(=出席した代表理事以外の理事の記名押印&印鑑証明書は提出しない)ことで良いのか、少し疑問を感じました。

ただ、冒頭の理事会出席者全員の記名押印と印鑑証明書添付を求めるのは規則(法人登記規則・商業登記規則)であり、特例を認めるのは法律ですので、当然に法律が優先するものと考えられます。

今般、このような案件を東京法務局に申請する機会がありましたが、定款を添付し、定款に定める特例で問題なく登記は完了しました。

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2018-04-18 10:05  nice!(1) 
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長期間登記懈怠による職権解散後の継続登記 [会社登記]

長期間役員に関する登記をしなかったため、職権で解散登記がなされている法人について、継続登記の依頼がありました。

長期間にわたって役員の登記をしていませんので、当然、登記上の理事と現在の理事の構成は変わっています。

継続登記の前提として法定清算人就任の登記をすることになりますが、すでに理事の登記も職権で抹消されています。理事の構成は変わっていますので、法定清算人は抹消された理事ではありません。

どのように登記するか悩んだところ、この場合、抹消登記されている理事について、抹消登記がなされていない前提で重任や退任等の登記を申請する必要があるということが分かりました。

この際に注意する点は、法人の届出印は抹消されています(法人の届出代表印が無い状態です)ので、代表者を選任した議事録への押印は、すべて個人の実印+印鑑証明書添付という形になることです。

法人の場合は理事の方も多く、法人の方は書類を取りそろえるのが大変だったようです。

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2018-01-13 18:00  nice!(1) 
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地役権の目的変更 [不動産登記]

送電線設置の地役権は良く見かける登記です。
先日、この地役権の目的の変更登記を申請しました。

もともとの地役権の目的は送電線の架設&建造物の設置禁止等でした。これを送電線路の最下垂時における電線から3・6メートル以内の範囲の建造物の築造禁止に変更する契約です。

建造物の築造全面禁止から一部禁止の変更ですので、この部分だけを捉えると、明らかに地役権設定者にとって利益変更です。
ところが、この変更に加え、危険物の製造等の禁止事項が同時に追加されましたので、地役権者と地役権設定者のどちらが登記権利者になるのか、どちらが登記義務者になるのか、悩ましい事態となりました。

結局、この案件では、地役権設定者にとって明らかな利益変更ではないことから、地役権者が登記権利者、地役権設定者が登記義務者として登記申請しました。

なお、この地役権の後順位には担保権が設定されていましたので、地役権変更登記を付記登記で行うため、担保権者の承諾情報も必要となってしまいました。

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2017-05-01 18:00  nice!(3) 
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登記引取請求判決による登記申請 [不動産登記]

登記名義の引取りを命じる確定判決により、登記義務者が単独で所有権移転登記申請をする場合、登記申請の添付情報は何が必要かがよく分かりませんでした。

不動産登記法や不動産登記令をよく見てみましたがはっきりしません。
もともと、登記名義の引取りを前提に法令が準備されている訳ではないでしょうから、ある意味当然なのですが、少し困ってしまいました。

登記権利者が確定判決によって単独で登記申請をする場合、登記識別情報は提供不要であり、登記義務者の印鑑証明書も不要です。

登記義務者が確定判決によって単独で登記申請をする場合、登記権利者と登記義務者の共同申請ではありませんし、不動産登記令8条1項但書を踏まえますと、登記識別情報は提供不要と考えられます。
ところが、登記義務者(=登記申請人)の印鑑証明書については、法令の中で提供不要とする根拠が見つけられませんでした。

提供不要とする根拠が無い以上は、不動産登記令18条2項により、原則どおり、登記義務者(=登記申請人)の印鑑証明書を提供する必要がありそうです。

そこで、登記所と協議の結果、登記名義の引取りを命じる確定判決で登記義務者が単独で所有権移転登記を申請する際には、登記識別情報は提供不要ですが、登記義務者(=申請人)の印鑑証明書は提供が必要ということになりました(協議庁以外でも同様に申請しましたところ、問題なく受理されました)。

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2016-10-21 18:00  nice!(0) 
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本店移転と支店移転 [会社登記]

本店が甲市乙町一丁目1番1号にあり、支店も甲市乙町一丁目1番1号にある会社が、登記所の管轄が異なる丙市丁町二丁目2番2号に本店と支店を同時に移転した場合の登記の方法が良く分かりません。

商業登記ハンドブックを読みながら、いろいろ考えましたが、結局、本店移転と支店移転は分けて申請することにしました。
旧本店所在地用の本店移転登記、新本店所在地用の本店移転登記を申請し、これが完了したのちに、本支店一括申請で支店移転登記を申請する形です。

この場合、1件目を旧本店所在地での支店移転登記、2件目を旧本店所在地での本店移転登記、3件目を新本店所在地での本店移転登記という形で申請する方法もあるようですが、いま一つはっきり分からないことがあり断念しました。

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2016-08-22 18:00  nice!(4) 
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代位で相続登記をする場合の被相続人の住所 [不動産登記]

相続登記をする際、被相続人の登記上の住所が本籍の表示と一致する場合を除き、被相続人がかつて登記上の住所に住民票上の住所を定めていたことを証する住民票の除票や戸籍の附票を取得する必要があります。

登記上の住所から最後の住所までのつながりが確認できる住民票等を取得できない場合、取得できた住民票等+不在籍・不在住証明書+被相続人の登記済証を添付して相続登記を申請をしています(登記済証が無い場合は相続人全員の印鑑証明書付上申書を添付しているかと思います)。

ただ、これは申請人が相続人であるが故に可能な申請方法で、債権者による代位申請の場合ですと、債権者は被相続人の登記済証は所持していませんし、もちろん、相続人全員の上申書の添付も極めて困難です。

相続開始後、時間がかなり経ってしまっている案件の場合、債権者代位での相続登記をすることは、非常に難しくなってしまいます。

このような場合、代位原因証明情報たる競売受理証明書に、①被相続人の氏名、②被相続人の本籍、③被相続人の登記上の住所、④被相続人の死亡年月日を加筆できれば、代位による相続登記は受理できるのではと思い、登記所に照会しました。

これまでの間、いくつかの登記所に照会をしましたが、いずれの登記所も、この記載があれば登記は受理できるとの回答でしたが、執行裁判所の方でこの記載をしてくれたのは1か所だけでした。もちろん、競売受理証明書に上記の記載してくれた案件の相続登記は問題なく完了しています。

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2016-04-11 18:00  nice!(2) 
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判決による登記と住所変更 [不動産登記]

判決正本等により所有権移転登記を申請する際、登記名義人の住所と判決正本等に表示された被告等の住所が相違する場合、前提として住所変更(更正)登記が必要です。

この場合、代位により登記名義人の住所変更(更正)登記を申請しますが、登記申請書に添付べき住所の変更を証する書面が完全な形で取得できない場合があります。住民票の除票は5年間しか保存していない(5年を超えて保存していても証明書として交付してくれない)からです(自治体によっては5年を超えて保管している除票を証明書として交付してくれるケースもあるようです)。

この場合、私の地域では、取得可能な住民票・戸籍の附票+不在籍・不在住証明書+登記済証を添付して住所変更(更正)登記を申請していますが、代位による住所変更(更正)登記の場合、登記済証の添付は困難です。
登記済証が添付できない場合、何らかの代替手段がないと、判決による所有権移転登記も申請できなくなります。せっかく判決を取得して登記の単独申請が可能であっても、登記義務者に登記申請に協力してもらわなくてはならなくなってしまいます。

そこで、上記の登記済証を添付することで住所変更(更正)登記を受理するのは、申請人が登記済証を所持していることにより、申請人=登記名義人(同姓同名の別人ではない)ことを明らかにする意味で添付する訳ですので、判決正本に被告の現住所と登記記録上の住所が併記されていれば、その判決正本によって申請人=登記名義人(同姓同名の別人ではない)ことが明らかとなりますので、登記済証の代わりに判決正本を添付すれば良いと考えました。

念のため登記所に照会をかけましたところ、今回のケースの添付書類は、取得可能な住民票・戸籍の附票、不在籍・不在住証明書、判決正本・確定証明書でOKとなりました。

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2016-04-07 18:00  nice!(3) 
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現況が墓地の登録免許税 [不動産登記]

登記記録上の地目が宅地ですが現況が墓地のため、固定資産税の評価額が無い土地の相続登記を申請しました。

登記記録上の地目が宅地であっても、固定資産税の評価上は公衆用道路で評価額が0円の土地については、一般的に宅地価格の30%の価格を課税価格として登録免許税額を計算していると思います。

墓地も公衆道路の場合と同じように、登記記録上の地目が宅地であっても、固定資産税の評価上が墓地であれば、登録免許税法第5条第10号の適用があると思ったのですが、どうも違うようです。

冷静に考えれば、確かに墓地の場合を公衆用道路と同じように考えることは無理でした。

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2015-09-10 18:00  nice!(0) 
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合同会社の設立登記 [会社登記]

合同会社の設立登記を申請しました。
定款は印紙代節約のために電子定款にしました。

登記申請のとき、定款作成代理に関する委任状を添付しなくても良いのか、ふと疑問に感じました。
調べてみますと、電子定款を代理人が作成した場合でも、定款作成代理に関する委任状は不要とのことでした。

公証人の認証は不要ですので、電子署名をした電子定款を添付して登記申請するだけです。

ちなみに、公証人が認証した定款の同一情報の提供を受け登記申請書に添付すると同じように、作成した電子定款をプリントアウトして原本証明を行い、紙ベースで提出してもダメとのことです。

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2015-09-09 18:00  nice!(0) 
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先取特権実行の場合の代位原因 [不動産登記]

区分所有法第7条第1項の先取特権に基づきマンションを競売するにあたり、相続登記を代位申請を行う場合がありますが、この際の代位原因に悩みました。

代位原因証明書は、競売受理証明書になりますが、競売受理証明書の方法からは、その事件番号によって担保権実行による競売であることはわかりますが、区分所有法上の先取特権による実行であることまでの記載はありません。

色々と悩んだ末に、事実に合わせ、年月日区分所有法第7条第1項の先取特権の実行による競売として申請してみましたところ、やはり訂正を求められまして「年月日担保不動産申立に係る不動産担保権実行による競売」ということで落ち着きました。

競売受理証明書の事件番号から不動産担保権実行による競売であることが分かりますので、後段は良いのですが、前段の表現が特徴的です。

この競売は、法人格のない管理組合が申し立てていますので、代位原因以外にも、代位者をどうするのか、代位者の資格を証する書面をどうするのか等の検討事項がありました(この点は、横浜局管内はほぼ統一されているようです。近く東京局でも申請しますので、その後に改めて整理する予定です)。

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